だいだい通信

運動部に多いオーバーユース症候群

スポーツをしている学生さんに多いのが、オーバーユース症候群という使い過ぎによって起こる痛みです。

スポーツ障害とも呼ばれ、分類や呼び名がたくさんあり、同じ症状でも違う名前で呼ばれたりするので混乱しやすいかもしれません。

症状を正しく理解して、適切な治療をする必要があります。

 

肩・肘のオーバーユース症候群

肩の症状は野球やバレーボール、水泳など、腕を上に繰り返し挙げる競技に多くみられます。

肩・肘のオーバーユース症候群の症例
  • インピンジメント症候群
  • 肩峰下滑液包炎
  • 腱板炎
  • 上腕二頭筋長頭腱炎
  • 肩から肩甲骨周辺の筋肉の過緊張
  • 野球肘
  • テニス肘
  • ゴルフ肘 など

 野球をしている場合は肩の痛みをひっくるめて「野球肩」と呼んだりもしますが、それぞれ違う症状です。

 肘(ひじ)の症状は、肘そのものに問題がある場合や、手首の使い過ぎが影響している場合があり、見極めが重要です。

腰のオーバーユース症候群

トレーニングのし過ぎや、猫背などの姿勢の悪化で筋肉の緊張が強くなると腰痛や股関節周辺の痛みの原因になります。

座る姿勢も腰痛の原因になります。

腰のオーバーユース症候群の症例
  • 筋・筋膜性腰痛
  • グロインペイン症候群(鼠径部周辺の痛み)
  • 腰椎分離症
  • 腰椎すべり症
  • 梨状筋症候群・深部殿筋症候群
  • 坐骨神経痛 など

成長期に影しい運動をしていると腰の骨が疲労骨折を起こすことがあり、骨折面が離れてしまった状態を腰椎分離症、それによって腰椎が前方にずれると分離すべり症と呼びます。

腰の疲労骨折は早期にコルセットで固定し安静にすることが重要で、放置すると大人になっても治らないまま腰が疲れやすいといった慢性腰痛になるケースが多いです。

膝のオーバーユース症候群

膝は人体で一番大きな関節で、太ももの筋肉や体重などの大きな力が繰り返しかかるのでトラブルが多い部位です。

特に成長期の柔らかい骨は筋肉との付着部で炎症を起こしやすく、小学校高学年から膝の痛みを訴える子供は増加します。 

膝のオーバーユース症候群の症例
  • 膝の皿周辺の痛み
  • オスグッド・シュラッター病
  • 膝蓋靭帯炎(ジャンパー膝)
  • 腸脛靭帯炎(ランナー膝)
  • 鵞足炎(がそくえん)
  • 分離膝蓋骨 など

それぞれ痛みの場所は違いますが、ほとんどが筋肉と骨の付着部が炎症を起こした状態です。

足のオーバーユース症候群

足の骨は片側で二十八個もあり、体重を支えるための複雑な構造になっています。

そのため、ちょっとした力のかかり方や角度のズレで痛みが起こります。

足のオーバーユース症候群の症例
  • スネの骨の痛み(シンスプリント)
  • 疲労骨折(スネや足の甲に多い)
  • アキレス腱周囲炎
  • かかとの痛み(シーバー病、足底筋膜炎など)
  • 有痛性外脛骨
  • リスフラン関節炎 など

治療をしながら負担軽減のためにインソール(靴に入れる中敷き)の使用も効果的です。

下半身のオーバーユース症候群は成長痛と混同されて放置されがちなので注意が必要です。。

原因と対処

オーバーユース症候群の原因
  • トレーニングの量が多すぎる
  • トレーニングの内容が偏っている
  • 悪いフォームでの練習
  • 栄養と休息の不足
  • ストレッチなどのセルフケアの不足
  • 年齢や身体的特徴に合わない練習
  • 姿勢の悪化
  • 体が硬い など

オーバーユース症候群の主な原因は多岐にわたります。

特に体の硬い子に起こりやすく、かかとを付けたまましゃがめなかったり、足をのばしたまま床に座れない、といった子も多いです。

だいだい接骨院では患部だけでなく、体の特徴をチェックし、改善できるポイントをひとつひとつお伝えした上で、その子に合った治療とケアを提案しています。

痛みを我慢して練習を続けていると悪化・長期化するケースが多く、数か月以上治らないまま痛みを我慢している子も良く来院します。

一番大切なのは、症状がある時はしっかり休んで治療することです。