だいだい通信

痛いのは効いてる証拠⁉

当院で施術している電気治療・マッサージ・はり治療などの物理療法について、間違った常識が浸透しているのなぁと感じることがあります。それは「痛い治療ほど効果がある」という考えです。

強いマッサージの方が筋肉も柔らかくなる気がするし、痛い方が効いている感じがしてスッキリする…という気持ちはわかりますが、痛みを感じるほどの強い刺激は体にとっては治療ではなく「攻撃」であり負担にしかなりません。
痛みを感じると筋肉は身を守ろうとこわばってしまいますし、ケガの炎症は悪化してしまいます。普段から強い刺激に慣れていると、痛み・疲労・違和感・緊張などの身体からのサインに鈍感になり、知らないうちに症状を悪化させることにもなります。

マッサージ後の痛み、いわゆる「もみ返し」も強すぎる刺激によって筋肉の繊維がつぶれて炎症を起こした状態です。毛細血管も傷つき、完全には元の状態には戻りません。もみ返しから回復すると、筋肉はもっと固くなり悪循環になるのです。

テレビ番組では足の裏を固い棒でグリグリ押したり、筋肉を強く揉んでタレントさんが苦悶の表情を浮かべて大騒ぎ…というのがお決まりになっていますが、これはテレビ向けの演出ですね。「気持ちいいです~」で終わってしまっては面白くないからです。
はり治療も必要以上にハリの本数を多くして、まるでハリネズミのようになっているのも、その方がテレビ映えするからでしょう。はり治療の場合、上手な先生ほどハリの本数が少ない傾向があると思います。ツボの選び方に迷いが無いからです。

すべてテレビのせいとは言いませんが、「痛い=効いている」という考えを持っている方はとても多いです。同様に、たくさん治療すれば早く治るというのも間違いです。よく六〇分とか九〇分といった長時間のマッサージを希望される方もいらっしゃいますが、筋肉は動き過ぎた時だけでなく、動かされ過ぎた時にも疲労するので、たくさん揉まれるほど疲れてしまい逆効果になります。

ストレッチも同じことで、反動をつけたり無理に伸ばしたりするような痛みを伴うストレッチは逆に筋肉をこわばらせたりケガにつながります。痛みを感じる手前でストップして、ゆっくり深呼吸をすると、筋肉も緩んで体も柔らかくなるのです。

ねんざ等のケガも、早く治したくてあれこれ手をかけてしまうと、逆に治りが悪くなってしまうことがあります。その人に合った適切な刺激量の治療をしたら、あとは身体の回復力に任せる、という方針が一番治癒力を発揮できます。

これらの理由から、当院では患者さんが痛みを我慢するような刺激の強い施術はしておりません。場合によっては、施術部位や年齢・体質などを考慮して、あえてマッサージなどをしない事もあります。適量を超えた施術で患者さんの身体を傷つけたくはないからです。
これまで強い刺激に慣れていた患者さんからも、「最初は物足りなかったけど、前より体が疲れにくくなった」とお話をいただいています。

当院で導入している干渉波治療器やウォーターマッサージベッドも、身体へ負担をかけ過ぎない仕組みになっています。

ただ、例外なのが五十肩や関節の固まりなどを動かすリハビリです。動かせる範囲を広げていくために、痛みを我慢して治療すべき症状もあります。その場合も、患者さんのペースに合わせて無理のないように治療計画を立てていきます。

昔から「良薬は口に苦し」なんて言われたりもしますから、治るためには何かを我慢しなくてはいけないという考え方があるのかもしれませんが、ただでさえ痛い部位をさらに痛くするのは百害あって一利なしです。
治療は「痛い」よりも「心地良い」方が効く。これが正解です。

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