だいだい通信

筋肉は裏切らないが関節は裏切る…

        

 「筋肉は裏切らない」というキャッチフレーズがあります。

 筋肉は鍛えることで太く強くなり、トレーニングの積み重ねに応えてくれる、という意味です。

 実際に、筋肉は二十歳を超えると緩やかに衰えていきますが、高齢になってもトレーニングをすることで強くなることが研究でわかってきています。

 最近ではコロナ禍において運動不足の解消や体力向上として身体を鍛えることが流行になっています。

 特に衰えやすい下半身の筋肉トレーニングは転倒や寝たきりの予防にも効果的ですから、年齢を問わず筋肉を鍛えることはとても重要です。 

 ただ、筋肉は鍛えた分だけ応えてくれますが、関節はそうはいきません。

 関節の部品である軟骨や靭帯といった軟部組織は加齢によって衰えていき、トレーニングをしても強くはならずダメージを蓄積してしまうからです。

 運動をする際は関節の角度や負荷量に気を付け、関節に負担がかからない方法で行わなくてはいけません。

筋肉と関節の違い

 筋肉は血管が豊富で、血の巡りが盛んな組織です。

 血液がたくさん流れ込むので、筋肉の重さの75パーセントは水分が占めるほどです。

 血液中の酸素や栄養素がどんどん補給されるので、筋肉痛程度の傷は数日で治ります。(肉離れは例外)

 一方、関節の軟骨は血管や神経が無く、一度すり減ったり傷つくと再生は難しい組織です。

 また、筋肉は自ら伸び縮みする柔軟性があり、トレーニングなどで重さがかかっても損傷しにくいですが、関節を補強する靭帯は伸びない組織なので無理をすると部分的にちぎれてしまいます。

 これら関節の軟部組織の損傷を「捻挫」といい、軽いケガだと思われていますが実際は修復が遅く、放置すると修復に数か月以上もかかる治りにくいケガなのです。

 当院にも、ウェイトトレーニングがきっかけで肘・肩・手首・膝などの関節を痛めて治療にいらっしゃる患者さんは多いです

関節を壊さないトレーニングのポイント 

急に負荷を上げない

 筋肉を鍛えようとしてたくさんの重さをかけると、筋肉が支えきれない負荷が関節への負担となります。

 重量を上げるより回数を増やして調整しましょう。

 スクワットや腕立て伏せなどの自重トレーニングがおすすめです。

フォームを意識する

 肩・膝・腰はフォームが崩れるとケガしやすい関節です。

 勢いをつけてフォームが崩れたり、自己流で動作をまねるような運動は効果が薄いばかりか関節の寿命を早めます。

 鍛えたい筋肉を意識して、丁寧な動きでトレーニングをしましょう。

休息も大事

 前述のとおり、筋肉は回復が早いですが関節は負担を蓄積していきますので、しっかりと体を休める時間も必要です。

疲労が抜けきらないままのトレーニングはケガのもとです。

筋肉は甘やかさず厳しく育て 関節は大切にして長く使う

 筋肉は使わずに過ごしているとどんどん衰えていきます。

 年を取ると取り戻すのが大変になるので、現状維持できる程度に身体を動かす習慣があるといいですね。

 筋力が保たれていれば関節への負担も少なくなります。

 長い目で見て、加齢への対応として筋肉を貯めておく「貯筋」という考えが健康寿命を伸ばします。

 関節は雑に使っていると年齢よりも早く寿命が来てしまいます。関節は消耗品だと考えましょう。

 腰や膝などの関節は痛めると一生ものなので、痛みを感じたら関節の悲鳴だと思って一日でも早く治療をすることが重要です。

 軟骨が減ったり骨が変形すると、もとの状態には戻りません。

 我慢していても治ることは無いので、初期の段階でメンテナンスをすることが何よりも大切です。

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