よく、お膝が痛い方が「膝に水がたまった」と言いますね。
これは『関節水腫』と呼ばれる状態です。
関節は関節包という膜で包まれていて、関節包の内側は滑膜(かつまく)という血管の豊富な組織になっています。
健康な滑膜は粘り気のある潤滑液を少量だけ分泌しており、潤滑液は関節の摩擦を軽減したり、軟骨に栄養を与えたりしています。
ですが、関節の軟骨がすり減ってきたり、ケガで半月板が損傷したりすると、滑膜が炎症を起こしてサラサラとした液をたくさん分泌してしまいます。
これが「水がたまる」状態です。
鼻炎になると鼻の粘膜が水のようなサラサラとした鼻水を出すのと同じですね。
サラサラ液は正常な潤滑液とは成分が違うので、関節の保護・栄養などの役割を果たしません。
その上、関節を内側から膨らませて圧迫するので痛みの原因にもなります。
膝以外の関節にも水がたまることはありますが、膝は人体で最も大きな関節なので腫れが目立って見えるのです。
注射で水を抜くとクセになってしまうという話も聞きますね。
でも、そんなことはありません。
たまりすぎた不要な水は、血が混じっていたり濁っていたりしますから、抜いてあげた方が良いのです。
水を抜くからクセになるのではなく、炎症が治まっていないから水が出続けているという事です。
ちなみに、少し水がたまった程度であれば自然に吸収されて無くなります。
ただ、あまり多くたまってしまって膝が曲げにくいようであれば水を抜いた方が良いでしょう。
鼻水が出るときに鼻をかむのと一緒ですね。
鼻をかんでもクセにはなりません。
余分に出過ぎたものは、掃除してきれいにしてあげた方が良いのです。
だいだい接骨院では、超音波治療器やキネシオテーピングなどで水腫の吸収を早める施術をしています。注射で水を抜くのは嫌だという方は、一度ご相談ください。