ぎっくり腰は何をしているときになる事が多いでしょうか? 重い物を持った時? スポーツをしているとき?
意外にも、ペンを拾う、顔を洗う、くしゃみをした、などの何気ない動作の時にぎっくり腰は起こります。
重い物を持つ時などは、腰だけでなく腹筋や周囲の筋肉にも力が入るので腰への負担が分散されますが、ちょっとかがんだ時などは意識も筋肉も油断している状態なので腰に負担が集中して痛めてしまうのです。突然激しい痛みが訪れるため、ドイツでは「魔女の一撃」と呼ばれるそうです。
ぎっくり腰の経験がある方は二度となりたくない!とお思いでしょう。そこで、ぎっくり腰の予防法をお伝えします。
①腰ではなく、膝を使おう
床の物を取る際や下に手を伸ばす際には、「おじぎ」をしないで膝を軽く曲げるようにしましょう。膝を伸ばしたまま腰や股関節を軸にして前かがみになると、上半身の重さが全て腰に集中してしまいます。膝を少し曲げ、腰を落としてあげると腰への負担は軽くなるのです。
腰は構造が複雑で、繰り返し曲げ伸ばしすることで関節や椎間板などにダメージが蓄積されますが、膝を伸ばす太ももの筋肉(大腿四頭筋)は全身で最も大きく強い筋肉なので、腰よりも断然無理が利きます。
物を拾う時、靴を履くとき、車の乗り降り、洗面所での身支度の時などは、おじぎをせずに膝をちょっと曲げてみてください。膝を曲げ伸ばしすると疲れそうな気もしますが、少し曲げるだけでも効果があるので「膝ちょい曲げ動作」を日常の習慣にしてみましょう。
②筋肉の状態を整えよう
腰周辺の筋肉や関節が固くなっているとぎっくり腰は起こりやすくなります。普段は何気なくやっている動作の負担を、受け止められる余裕が無くなっているからです。
ぎっくり腰の患者さんは、例外なく腰以外の筋肉も固くなっています。日常生活での姿勢や運動不足によって股関節や膝の裏などが固くなり、動きの負担が腰に集中している状態です。急に痛くなってしまったのではなく、積もったダメージが限界を超えた時にぎっくり腰は起こるのです。
適度な運動やストレッチなどでセルフケアが行き届いていればいいのですが、なかなか難しいという方は当院での予防施術をおすすめしています。月に1回位のメンテナンス治療で、毎年繰り返していたぎっくり腰が起きなくなったという患者さんも多いです。
③なってしまったら、ちゃんと治そう
ぎっくり腰を繰り返している患者さんに話を聞くと、毎回ちゃんと治療をしていないパターンが多いです。痛み止めと湿布だけ、ずっとコルセットをしている、腰が不安で前傾姿勢がクセになっている、といった状態が長く続いているので慢性腰痛がなかなか無くならず、ちょっとしたことでぎっくり腰が再発してしまうのです。
もしもぎっくり腰になってしまったら、できるだけ早く、限りなく元の状態になるように、しっかりと治療をすることが重要です。痛みや違和感を残したまま不自然な動作が続くと、腰にかかる負担が増してしまいます。
当院ではぎっくり腰の患者さんには過度な安静や固定は逆効果になるため、自然な動きを取り戻すように施術・指導をしています。ぎっくり腰発症後、すぐに治療に取りかかり、計画的に通院治療出来た患者さんの予後はとても良好です。様子見をせずにすぐに来院してください。
ぎっくり腰は春や秋などの季節の変わり目に多く発症します。当院では腰に不安のある患者さんにはそれぞれの状態に合わせた予防法をお伝えしています。