一日でも早く治すには
自分の症状がどれくらいで治るのか?
これは実際に質問されることもありますし、言葉にしなくても不安に思う患者さんも多いと思います。
「早期治癒」「極力完治」をモットーに施術している当院としては、スパッとお答えしたいところなのですが、患者さんの状態は千差万別なうえ、治癒の早さを左右する要因がいくつもあるので断言できないこともあります。
ただ、これからお伝えするポイントを踏まえれば、治る早さは驚くほど違ってきます。
治療の重要性
交通事故のムチ打ちに長年悩んでいる方にお話を聞くと、事故当時に特に治療を受けていなかったという方が多いです。
放置・我慢・様子見・痛み止め・・・といった処置は、弱まった治癒力に頼りきっている状態です。
治癒力が鈍ったままだと症状が長期化したり(慢性化)、状態が悪くなったり(悪化)、何度も繰り返したり(再発)、痛めた場所が以前より弱まったり(弱体化)します。
そうならないように、適切な治療で治癒力を後押しして、短期間で治るようにしてあげる必要があるのです。
「そのうち治るだろ~」としばらく放置してしまうと、時間とともに回復力は鈍っていきます。
また、肩こりなどの疲労や慢性症状に関しても、メンテナンスをしないで酷使していると症状は頑固になっていきます。
特にスポーツをしている学生さんはオーバーユースという使い過ぎによる症状が起こりやすいですが、我慢しながら練習をしても治ることは無いと断言します。
悪化させて練習を長期離脱するよりも、初期のうちにしっかり治療をするという意識を持ちましょう。
早期治療
症状が現れてから、少しでも早く治療をする。
これはとても大きなポイントです。
症状が現れてすぐの時が、一番治癒力が盛んだからです。
ぎっくり腰を例にすると、痛くなったその日に治療できれば数日で痛みが引けますが、1週間ほど経ってから治療を開始した場合は治りが遅くなる傾向があります。
スポーツのケガでも、痛みが表れてからも我慢しながら練習していると痛みが慢性化したり長期の安静が必要になります。
治療の頻度
接骨院や病院で行う物理療法 (電気治療や手技療法など)は頻度を高めたほうが効果が表れやすいので、最初のうちは間を空けずに通院するのがカギです。
飛び飛びの通院になると、結果的に治療回数も増え、症状が慢性化して治癒が遠のいてしまいます。
月に数回のメンテナンス治療で充分という方もいらっしゃるので、それぞれに最適な来院回数の目安をお伝えしています。
患部への負担を減らす
症状悪化の原因になっていることを極力減らすことも重要です。症状がある程度治まるまでは、姿勢や体の使い方、日常のクセなどに気を配りましょう。
良かれと思ってやっていたことが実は逆効果だったという事も結構あるので注意が必要です。
また、お仕事や部活でどうしても負担がかかってしまう場合は、サポーターやインソール(靴の中敷き)などで負担を軽減するのもいいですね。
セルフケアも治療のうち
接骨院での治療と同時に、自宅でのケアを行うことで治るスピードはアップします。
当院では症状に合わせて、部活の後のストレッチや、関節の運動療法などを指導しています。
特に五十肩や変形性膝関節症などは、通院治療をしながらご自宅でセルフケアに取り組むことで、とても効果を発揮します。
「バレーの大会に間に合わせたい」「山登りに行きたい」といった目標を持ってセルフケアに取り組むと治癒はとても早まります。
「治った」は人それぞれ
よく「全治〇週間」という表現をしますが、これは、〇週間経てば勝手に治るという意味ではありません。
特に交通事故のムチ打ちなどの場合は全治2週間(14日)という診断が多いですが、これは全治15日以上になると「重大な傷害」とされ、交通事故加害者の罪が重大になるので、画像診断で骨に異常が無ければ「軽度な障害」として全治14日以下の診断になる、といった事情があるのです。
実際にはムチ打ちで数か月、長ければ数年以上症状が続くケースの方がほとんどですから、治療をせずに放っておくのはとても危険なのです。
痛みがなくなれば治ったかといえばそうでもありません。
足のねんざの腫れが引いてもスポーツの時に踏ん張れなかったり、骨折はくっついても関節が固まったまま・・・なんて状態では治ったとは言えないですよね。
まずは日常生活を不備なく過ごせる状態にすること、さらに趣味やスポーツなどを思いきり楽しめるように元の状態に限りなく近づけていくために計画的に治療をすることが必要です。
患者さん自身が「治った」と感じられる状態に少しでも早く近づけることが一番重要だと思いながら施術をしています。