「やせましょう」とは
言われるけれど・・・
腰痛・膝痛で病院に行くと「体重を落としてください」「もうちょっと痩せましょう」と指導された経験は無いでしょうか?
確かに体重が重いと膝や腰に負担がかかりますから、ごく当たり前のアドバイスのように思えます。
では、体重を落とせば膝痛・腰痛は治るのでしょうか?
数字にこだわらなくてもOK‼
体重を落とせと言われたら、体重計の数字の増減ばかりに目が行ってしまいますよね。
でも、体重は気にしなくてもいいんです。
大切なのは体重の内訳です。
脂肪たっぷりの70㎏はNGですが、筋肉がしっかりした70㎏であればOKなのです。
同じく、骨太の70㎏なら無理に体重を落とす必要はないでしょう。
人の体格は様々ですから、一概に何㎏が良いとは言えません。
体重だけ落としても・・・
意外な事に、同じ大きさの骨・筋肉・脂肪を比べると、脂肪が一番軽くなります。
油が水に浮くのを想像するとわかりやすいかもしれませんね。
脂肪(油)よりも、筋肉(約75%が水分)の方が重い、というのがポイントです。
体重を減らそうと数字ばかりにこだわっていると、脂肪よりも重い骨と筋肉を減らすことになります。
骨と筋肉は膝や腰を形作り支える役割がありますから、せっかく体重を落としても、骨と筋肉も一緒に落ちてしまったら、膝・腰の痛みは悪化するうえに骨の変形も進み、姿勢は猫背になり、お腹はポッコリと前に出て・・と、目も当てられない状態に・・・
膝痛・腰痛だけでなく、ダイエットの場合でも、体重(数字)を減らすより筋肉を増やすように意識した方が効果的です。その結果、体重が増えてもいいのです。
ご自身の体重の内訳が知りたい方は、当院のインボディ測定がおすすめです。脂肪と筋肉の割合を詳細に知ることができます。
食べないで痩せようとするのはNG‼
体重を落とすダイエットとしてまず思いつくのは、食べる量を減らすという事ではないでしょうか?
明らかに食べ過ぎの場合は健康のためにも減らした方が良いですが、極端な絶食 (急に一日一食に減らすなど) や偏食 (リンゴだけ食べるリンゴダイエットなど) をしてしまうと、筋肉や骨を維持するために必要な栄養素が足りなくなってしまいます。
特に女性や年配の方は、食事が偏ると筋肉や骨が弱くなりやすいので注意が必要です。
元々日本人の食生活はタンパク質とカルシウムが不足しがちだと言われているので、普段の食事はしっかりと摂りましょう。
食べずに体重が落ちるという事は、痩せているのではなく、やつれているということです。
膝・腰は動かして治す!
体重 (脂肪) が多いという事は、運動不足の傾向があり、筋肉も落ちている場合が多いです。
特に膝や腰が痛い人は運動量が減りますから、筋肉の落ちるスピードは速くなります。
ですから、適度な運動をすることで筋肉と骨を丈夫にし、結果的に脂肪も減っていくというのが腰・膝にとっては理想です。
それぞれの状態に合わせた運動を行う事で、筋肉が関節を支えてくれるようになるだけでなく、人間本来の治癒能力も高まり、痛みの悪化に歯止めがかかります。
ダイエットは食べた以上に運動をして消費するというのが基本であり王道です。
2人に1人が肥満というアメリカでは、痩せるためにはまずエクササイズ(運動)が基本です。
肥満大国アメリカが王道を行く一方、日本では「楽して痩せる魔法」を追い求める人が後を絶ちません。
「結局は運動か・・」とがっかりしたかもしれませんね。正論は耳が痛いものです・・。
厄介な事に、人間は「脂肪を貯めやすく、筋肉が落ちやすい」ように進化してきた生き物なので、それに逆らうのは簡単な事ではありません。
とはいえ、なかなか時間が取れなかったり、継続するのが難しいという場合は、割り切って腰や膝などの身体のメンテナンスは当院にお任せしていただくのも良い選択だと思います。セルフケアでは行き届かないところをしっかりケアしていきます!
楽しんで体を動かすのが理想ではありますが、痩せすぎよりは少しふっくらしている方が健康的というデータもありますし、体形を気にしてストレスをためるよりは「痩せたらモテ過ぎて困るから、私はこのままでいいのよ~」と笑っているのもアリかも?(笑)