腰痛をお持ちの方には、コルセットを持っているという人も多くいらっしゃいます。
ですが、中には間違った使い方をしている方も多く見受けられます。
- 何か月も、毎日使っている
- 何年も前に作ったものを使っている
- 仕事で腰を使うので巻いている
- コルセットを巻いていないと不安だ
- 現在、痛みはないがとりあえず巻いている
- 腰痛の予防のために巻いている
こんな使い方をしている場合、実は腰痛を悪化させる場合があります。
腰痛にコルセットは必要か?
コルセットの主な目的は、「腰部の固定」をすることです。
安静を保つことが必要な場合に、固定のための補助用具として使われるのがコルセットの役割です。
テレビのコマーシャルなどでも腰のコルセットが紹介されているので、腰が痛い=コルセットを使う、というのが当たり前と思われているかもしれませんが、まずは「コルセットが必要な腰痛かどうか」を見極める必要があります。
コルセットが必要な腰痛とは、骨折などで絶対安静を必要とするもの、腰の関節が不安定で痛みがあるもの、手術が適応になるタイプのヘルニアなどで安静が必要なもの、などです。
ただ、コルセットで長期間固定が必要な腰痛というのはとても少ないです。
コルセットが腰痛を引き起こす
用途に合わないコルセットを使い続けると、コルセット自体が慢性腰痛の原因になります。
第一段階
コルセットを使い続けることで締め付けにより血行が悪くなります。
新鮮な血液が届かず、疲労物質や老廃物がとどまりやすくなることで、腰が重だるい、疲労が抜けにくい、といった状態になります。
第二段階
固定することで動きが悪くなり、筋肉がこわばります。
筋肉にとって、同じ長さのまま動かせないというのはものすごい負担になります。
体勢を変える時にひきつるような痛みが出たり、腰をトントンと叩きたくなるような肩こりに似た鈍痛が表れます。
第三段階
腰を固めたまま日常生活を送ったり仕事などで身体を使っていると、動作が不自然になり姿勢悪化や他部位への影響が表れ、猫背、肩こり、膝の痛みなどに発展していきます。
この状態になると、頻繁に軽めのギックリ腰を繰り返すようになります。
コルセットを使いながら仕事をするのは、コルセットの役割(安静を保つため)とは全くの逆の使い方です。
コルセットに頼らない状態へ
コルセットを長期間使用している方の中には、寝るとき以外ほとんどコルセットをして過ごしている人も多いです。
コルセットをしないと痛いとか動けないというわけではなく、何となく不安で使っていたり、腰痛の予防のために使っているというパターンです。
精神的にコルセットを手放せなくなって依存症のような状態になっているケースもあります。
そのような方には、まずはコルセットを使う時間を減らしてみる、固定力の弱いものに替えてみる、といった提案をして、段階的にコルセットに頼らない状態にしていきましょうとお伝えしています。
今使っているコルセットがご自身に合ったものなのか気になる方は、来院される際に実物をお持ちください。
日常的にコルセットを使っている方は腰痛悪化の原因になっていないか見直す必要があります。
これからコルセットを買おうか悩んでいる方は、まずはコルセットが必要な状態かどうかをチェックしてからにしましょう。
腰に負担のかかるお仕事をされている方や腰に不安がある方は、コルセットよりも保温のための腹巻きや、筋肉を安定させる骨盤ベルトをおすすめしています。
そして必要のない方にはハッキリと「買わなくても良いですよ」とお伝えしています。