かかとが痛い・・・
歩くのも大変・・・
しつこく長引く かかとの痛み
だいだい接骨院の患者さんで意外と多い症状が、かかとの痛みです。
足の裏のかかとのあたりに痛みがあり、歩くのも辛いという方が月に2~3人来院されます。
これは『足底筋膜炎』といい、かかとの骨にくっつく腱の緊張が原因で起こる炎症です。
足底筋膜炎はスポーツをしている学生に多い症状で、バスケットボール・陸上・剣道など種目は様々ですが、足にかかる負担が蓄積していくと起こりやすくなります。
他にも立ち仕事の時間が長い方や、ハイヒール・下駄などの固い履き物を履く方にも多くみられます。
腱組織が固くなる四十~五十歳代になると自然に痛みが表れる事もあります。
上の図のように、足底筋膜炎は足の裏のかかとの骨周辺に痛みが表れることが多いです。
足の土踏まず(アーチ)を作っている組織なので、アーチの反対側の親指の付け根にも痛みが出ることもあります。
当院に来院された患者さんにお話を聞くと、前にも病院で診てもらったが、なかなか改善されず、数か月以上痛みに悩まされているという方が多いです。
ちゃんと治療すれば治るものなのですが、痛みが長引いている患者さんには共通する原因があります。
治らない原因① 足の負担が減らない
足にかかる負担をできるだけ軽くすることが治療の基本です。もし、
- 痛みを我慢したまま部活は休まず頑張ってしまう
- 長時間の立ち仕事をしている
- 底が固い履き物を履いている
- 痛みをかばって姿勢や歩き方が悪化している
といった生活習慣があれば見直す事が必要です。
治らない原因② 適切な治療ができていない
治療をせずに痛みを我慢するのはもちろんダメですが、症状に合った治療ができていとなかなか治ってはくれません。
ちゃんと治療ができていなかったパターンとして多いのが、
- 温めるか冷やすかの判断を間違っている
- 自己流でマッサージなどをしている
- 湿布を貼るだけ
- 合わない中敷き(インソール)を使っている
- 月に数回しか通院(治療)できない
といった患者さんです。症状に合わせて適切な治療をすることが必要です。
治らない原因③ 再発防止ができていない
負担を減らし、適切な治療ができれば、症状は改善に向かいます。しかし足底筋膜炎は痛みの再発が起こりやすい症状です。なぜなら足底筋膜炎が起こった原因が解決されていない場合が多いからです。
再発しないようにするには、治療と並行して、体を「発症(再発)しにくい状態」に改善していくことが大切です。例えば、
- 土踏まず(足底アーチ)を整える
- 足首の関節を柔らかくする
- ふくらはぎの筋肉の疲労を軽減する
- スポーツ時のフォームを見直す
- 体に合わない道具(靴など)を見直す
日常生活で多少の負担がかかっても、それに耐えられる状態を作り上げ、負担を溜め込まないことで安心してスポーツや仕事に復帰することができます。
スポーツの練習を休みたくなくて悪化させてしまう患者さんが多いですが、痛みを我慢しながら練習しても上手くはなりません。
また、痛みによって動きが不自然になり、新たなケガの原因にもなります。痛い時は練習を休んで治療に集中し、短期間で治して復帰した方が絶対にいいのです。
お仕事で通院が難しいという方でも、一回の治療時間は三十分程度ですから、お時間を見つけて週に数回でも治療ができればずいぶん痛みは変わってきます。
積極的に治療に取り組むよう意識が変われば、足底筋膜炎はそれほど難しい症状ではありません。