だいだい通信

『浮き指』がもたらすトラブル

浮き指

足の指に力が入らない・・・
指が上手く使えていない・・・

患者さんの足を見ると『浮き指』という隠れた症状をお持ちの方が多くみられます。
あまり聞き慣れない言葉かもしれませんが、浮き指とは立った状態で足の指が地面に着かずに浮いてしまった状態のことを言います。
浮き指そのものには痛みはありませんが、様々なトラブルへと連鎖していきます。

 姿勢の悪化 → 肩こり・腰痛

浮き指は重心が かかと寄りになるので、バランスを取るために頭や肩を前の方に突き出した姿勢になります。
これは肩こり・腰痛を悪化させる、いわゆる「猫背」ですね。
歩き方も不自然になり、スリ足、ベタ足での歩行になりがちで、靴の中で足に負担がかかって魚の目・巻き爪・かかとの痛みなどの原因にもなります。
スポーツをしていてあちこち痛みが出やすいという方も、浮き指によって体重の負荷を分散できずに局所的な負担がかかっているということが多々あります。

 足指の筋肉の衰え→足・指の変形

足を正常に形作っている筋肉が弱くなると、浮き指になるだけでなく、足の骨がまとまりを失い、外反母趾や偏平足などの変形が起こります。
ヒールなどの履物に気を使っても、浮指状態を見直さないと外反母趾の改善は難しいのです。
また、膝などの大きな関節への負担も増えるので、O脚や軟骨が減る原因にもなります。
踏ん張る力が低下しているので、頻繁につまづいたり転んだりしやすい状態です。
主に女性や年配の方に多くみられます。

 慢性疲労 → 下半身太り

本来、足の指に分散されるはずの体重が、浮き指ではかかと と指の付け根だけで支える形になるため、重心はグラグラと安定せず、ふくらはぎや腰などの大きな筋肉に休みなく負担がかかってしまいます。
指で体重が分散できないと足の側面や足裏の外側に体重がかかりやすくなるので、お尻やふくらはぎのフォルムを作る筋肉に負担がかかり、むくみやすい・だるさが抜けないといった慢性症状が現れ、疲労を溜め込んだ筋肉はずんぐりと太り、下半身太りになります。

 浮指の原因

浮き指の原因は、足の指を使わない生活習慣にあります。
足に合わない靴や、スリッパ、つっかけサンダルを履いていると、指を使わない すり足歩行になります。
普段運動をしている人でも浮き指になることがあるので、意識的に足の指を使っているかがポイントになります。
浮き指は女性の方や年配の方によくみられるのですが、驚く事に小学生の子供にも多いです。
学校で内履きを履くため、裸足で歩く事が減り、足指の筋肉が上手く使えていないことが原因の一つと言われています。また、洋式トイレが主流になり、しゃがむ (つま先に体重をかける) 事をしなくなったのも関係するかもしれません。

 浮き指改善 → 痛みの根本治療‼

浮き指は自覚症状が無いまま様々な症状を引き起こします。
上記の症状が複数個当てはまる場合、または同じ症状が何度も再発している場合は、症状の治療と併せて浮き指の治療をすることで、根本的な改善になる可能性が高いです。
明らかに指が浮いていなくても、足の指でしっかりと地面をつかむように力がかかっていないパターンもあります。
浮き指の治療は足の指のエクササイズをメインに、専用のインソール (靴の中敷き) やサポーターも併用して効果を高めます。
まずは簡単なチェック方法があるので、ご自身が浮き指かどうか気になる方は当院にお声かけください。