小学校高学年から中学生くらいまでの年齢は身体が発達途中の段階にあり、スポーツなどで痛みが起こりやすい時期です。
身体が出来上がっていないのにハードな練習を繰り返していると、構造の弱い部位に炎症が起こります。これを「スポーツ障害」といいます。
最も多い足の痛み
スポーツ障害の多くは足にみられます。特に膝から下のスネの骨(脛骨・けいこつ)は成長期にどんどん縦に延びていきますが、成長期の骨は細胞が盛んに増殖を繰り返しているため、大人の骨よりも柔らかく、筋肉もまだ未発達です。
スポーツで成長期の骨に負荷がかかりすぎると、 骨と腱の付着部分が絶えず引っ張られた状態になり、骨が炎症を起こしてしまうのです。
特に膝の皿の下の部分に痛みが現れるのが「オスグッド病」と呼ばれる状態で、悪化するとはく離骨折や疲労骨折などを起こすこともあるので、迅速に治療をする必要があります。
軽く考えてはいけない成長期の痛み
身体がつくられる成長期に負担がかかると、炎症を起こした骨が盛り上がり、大人になってからも後遺症として残る場合があります。成人してからもスポーツ時に同様の痛みを感じたり、根強い腰痛に悩まされる子もいます。
スポーツ障害の発生は練習時間に比例し、週14時間以上の練習で著明に増加します。そのうち治るだろうと軽く考えず、時には運動を休んでしっかりと治すことが大切です。痛みを我慢しながら練習をしても上達しませんし、新たなケガにもつながります。
「休むと他の子についていけなくなる…」「練習をさぼっていると思われるのが嫌だ…」といった理由で練習を休みたがらない子も多いですが、「休むのも練習のうち」ということを理解するのが大事です。
練習を休んで治療をしながら、別のスポーツや読書を楽しんだりキャンプなどの参加型の非日常体験をすることでガス抜きにもなりますし、強いメンタルが育まれます。だいだい接骨院に来院される学生さんの多くは、オーバーワーク(練習のし過ぎ)による身体の痛みを訴えていますが、痛みが軽くなるにつれて子供たちの表情が明るくなり、笑顔が見られるようになると、こちらもうれしくなりますね。
スポーツ障害の予防には
- 練習前後にしっかりと体操をすること
- 痛みを感じたら早めに治療を受けること(我慢すると悪化・慢性化し、治りにくくなります)
- ストレッチやマッサージなどで筋肉の柔軟性を高めること
- 他種目のスポーツを楽しむこと
- 練習量を調整して体を休めるのが最も大切!
もしお子さんがスポーツ時に痛みを訴えたり、ストレッチの方法が分からないといった場合にはお早めにご相談ください。